2015年8月21日金曜日

【まとめ】人に強くなる極意 佐藤優

【まとめ】人に強くなる極意 佐藤優

​------------------------

1 怒らない
​------------------------
■感情的になってキレてしまうひとは、感情の抑制が効かない情緒不安定というカテゴリーに入る。
つまりは「病気」なので、こへは議論の外のメンタルヘルスの話になる。

■あえて大声で怒ることで、命の危険から避けさせる行動もある。
(工事現場の指示者、自衛隊の長)

■いつも怒鳴る瞬間湯沸かし器上司
→実はあえて悪役に徹していた?
気づいていた筆者だけにはある時、親身なアドバイスをしてくれた。

■鈴木宗男は役人が嘘をつくことを的確に見抜く能力に長けていた

■平気で嘘をつくひとには大声で怒鳴る
→faxの受信履歴でバレた部下の嘘
→過去に、事務処理レベルで、外国同士の「送った、送ってない」で国際問題にまで発展した
→些細なミス、嘘が大事になる可能性

■怒られたり怒鳴られたりしてもすぐ「自分は嫌われてるから…」と思わないこと

■パートナー会社からきているひとや、派遣、出入り業者のひとたち(立場の弱いひとたち)に、立場的な強さから高圧的な態度や怒ることは絶対にやめること。
周りからはいじめてるとしか見られない

■じぶんの怒りの元を合理的・客観的に説明してみる。

この怒りは…
嫉妬から?
コンプレックスから?
焦りから?

焦り」なら、
「なぜ焦っているのか?」
あせる原因が解ったら、
なぜその原因が発生したのか?…と続けて分析する。
(もう一人の自分を出現させる。メタ認知)
紙に書いたり、物事を俯瞰していくと、実は怒りそのものが自分自身の

・誤解
・思い込み
・間違った判断

だということに気づく。そうすると、

一方的に相手が悪い!
向こうにもそれなりの理屈がある
よく考えたら自分も同じ過ちをしている
そういう気づきが出てくる。

ここまでできれば、まさに理性の勝利

■512日間の拘留でいちばん頭にきた瞬間
外務省の人事課員が、筆者から何か言質をとろうと面会に来たとき

■感情の糸をほどいていくには、それなりの知識・経験が必要
経験は有限なので、オススメは小説もしくは映画
(あとは古典や、まともな心理学書)

■怒りは溜めずに(ネットなどに巻き散らかさずに)、小説を読んで昇華させよう

■昔は貧困、飢餓、突然肉親を失う、戦争、仲間を失う、人権無視の封建的社会

今より不満・怒り・悲しみは溜まっていたはず。
それを昇華していたのが芸能や芸術、文芸だった

​------------------------
2.びびらない
​------------------------
■ひとはなぜひびるのか?びびって相手のペースに飲まれないためにはどうすればよいのか?「びびらない力」のつけかた

■上司や会社の評価が気になるのは…
社内コミュニケーションが希薄で存在がバラバラ。だから不安になる。
存在感や組織の位置を確認するのは上司ぐらい。だから顔色を伺い、一挙手一投足にびびってしまう。

■大学生の便所飯。つるまないといけない感覚。同調圧力。
昔のムラ社会と同じ。それを破る人に対して、激しい怒りや攻撃をするようになる。
「おれはこれだけ抑えているのにアイツばっかり勝手にやって許せない」

■幽霊の正体見たり枯れ尾花
→ひとはよくわからない相手に対してびびってしまう。
想像が恐怖をかきたてる。

→相手や対象を知り、相手の本質や意図を見極めることが重要
「相手の内在的論理を知る」

■拘置所の検察の取り調べは、相手をびびらせるノウハウのオンパレードだった

エリートは徹底的に怒鳴りつけ、プライドを傷つけると供述をとりやすい

「相手を自動販売機にする」
威嚇してなじりまくると、相手はそんな経験皆無なため、一気に自信を失って検事のいいなりになる

■世の中はびびらせることで成り立っている

・CMで「がんをあおる」「老化をあおる」
・健康食品 教育関連 金融商品
・新興宗教「今のままでは不幸になる」
・無料の水質検査訪問→「発がん性の成分が検出された」
※発がん性の物質などは、およそどんな食品にも多かれ少なかれ存在するもの

■やっぱり、本・映画などで「代理経験」しておく
→「この状況はあの本のあの場面にそっくりだ」と対象を冷静に分析できる。

びびらせてくる対象を、自分の経験の中で何かのカテゴリーに振り分けてしまえば、そのような恐怖心に陥らない

■ヤクザの押し売りには
「契約自由の原則に基づいて取引しません」で通して、余計な買わない理由を言わないこと。

■こどものいじめに理屈や根性は通じない。さっさと違う環境に移させるべき

■普段から多少負荷がかかる仕事をこなして、自分の限界を知っておくこと
→必要以上にびびってチャンスを逃したり、いきなり自分の能力を超えたものを依頼されても断る判断ができる

■本当に日本がびびらないといけない相手は、中国でも北朝鮮でもなくアメリカ
→TPPは同盟を結ぶ行為と一緒で加盟必須

■国家に対してびびること。領収書はしっかり保管。横断歩道も信号無視しない


​------------------------
3.飾らない
​------------------------
■官僚の出世にかかわる涙ぐましい努力

「先生、私、いま職場の若い人と不倫していて、女房とうまくいってません。誕生日が近いが誰も祝ってくれないので、先生に祝ってほしい」
と正座して有力者にアピールする東大教養学部教養学科国際関係専攻卒の官僚。

■本当は知らないのに知ったかぶること

→他人から「やっぱりそのくらい知ってる人だ」と思われたい優越欲。

■岡田尊司「マインドコントロール」
カルト・暴力団・暴走族に入って法を犯す人の多くが、ある種のマインドコントロールを受けている、とのこと。
自分の存在を大きく見せようという「優越欲求と、尊師に認められたい「承認欲求が巧みに利用され、「競争意識のなかで犯罪に走った

■どこかに所属している限り、マインドコントロールから完全に自由になることは難しい
どこか引いた目線でじぶんの所属を相対化する。冷めた目で世の中を客観視。

■夏目漱石が写した近代社会の、自分を「飾る」意識

■職場でのはったりは長持ちせず、マイナスになることが多い。
メッキは必ず剥がれる。いったんそういうレッテルが貼られると、取り返すのは大変。

■成長できる人は、自分の周りに助けてくれる人をたくさん持っている。
上手に甘えることができるか。
人は他人に頼られて悪い気はしません。
それを突っ張って自分を実力以上に見せようとしては、味方も敵にまわしてしまう。色々な意味で損することが多い。

■エリツィンのサウナ政治
→ウォッカで酔わせて相手の反応を観察

■シンプルに自分を偽らず飾らず、相手と真摯に向き合っていけば自然と仕事の関係は増やせる。


​------------------------
4.侮らない
​------------------------
■30代半ばで仕事で伸び悩んでいる人は多くの場合「侮り」が原因。
要領の良い人ほどそう。

■侮らない方法もまた、本や映画による代理経験を積むこと

■内省ノートをつける

■「竹中式マトリクス勉強法」
→会社が「育てる」というより「鍛える」という雰囲気だったら逃げて良い

■会社内の「突然のスローガン」に注意


​------------------------
5.断らない
​------------------------
■本を読むスピード。
200pの単行本なら10分で!読める。
毎月300冊は読んでいる。
抱えている連載は月60本。
1ヶ月で原稿用紙1000枚書いてる。

■明日できることは今日やらない

職場によくいる
「大して仕事を引き受けてるように見えないのに、なぜかいつもアップアップで残業している人」
今日やるべきと、明日に回してokな仕事の大きさが同じに見えている。
仕事の遠近感がない。

■直前に自分を追い込んで一気に仕上げることでむしろアウトプットの質が高まる

​​■自分の世界に逃げ込まない​

​「​​オタク」といわれる人たち。自分なりの世界観を持っていて特定の分野に詳しい。
問題は、異質な存在や価値観を排除しようとする閉鎖性が強い場合があること。


■拘留512日は、外部の雑音なし・思う存分好きな本を読む・日記や文章を書くことで自分を徹底的に見つめることができた


​------------------------
6.お金に振り回されない
​------------------------
■お金は限界効用低減の法則が効かない
→100万円手に入れたら、今度は「1000万円ほしい」と欲望に際限がない。

■自分の労働力をいかに高く売るか
 一芸に秀でたスペシャリストになる。コモデティ=商品=代替可能な人 になってはいけない

■無闇に消費者金融で借りないこと。この事実だけで住宅ローンの審査が下りなくなる


​------------------------
8.先送りしない
​------------------------
■貯蓄率の低い人ほど、時間割引率が大きい
=目先の消費に大きな価値を置いているので、よほど高い利子がつかない限り貯蓄する気にならない人

■本の帯の内容(=ちょっとした作業)決めるだけで、本の売上が大きく変わる
ほんの少しの仕事のタイミングのずれとか、ちょっとした先送りで売上は大きく変わる。


■「結婚する」「子どもをもうける」も先送りして機を逃すと難しくなる典型

■先送りできなくなる「語学」・・・・公文式が、よくできていて定額制でオススメ。
毎日30分、半年もやれば、英語力は見違えるほどになる。


■うつ病になる人
膨大な仕事量、職場で助けてくれる人もいない状況で、上司に成績や成果を厳しく求められるー
精神的にいっぱいいっぱいになってしまう。
これまでできていた仕事が一切手につかなくなる
やらなければいけないとわかっていながら体が動かない。やる気も全くなくなってしまう。。

精神科医 木村敏「時間と自己」
うつ病にかかっている人の特徴
「取り返しがつかないことになった」
「もう終わってしまった」
という感覚が強い。 ※学習性無力感
※こういう人たちは間に合わなくなる恐怖から、いつもはいろいろなことを先回りしてこなしていた人が多い
(↑わたし。。。)


表現を変えれば、完璧主義者。自分が思い描いたように仕事を進められているうちは調子が良い
一度歯車が狂いだすと「もう自分はダメだ、何をやっても無駄だ」と両極端に振れる
現実はかなりフレキシブル。ダメなところがあっても別のところで補えれば全体として何も問題がないことのほうが多い
そう考えられれば、何か不測の事態が起きても「だったらこう対応すれば何とかなる」「こうやれば取り戻せる」
と柔軟に考えることができる

​​


・やたら先回りしてこなさないと落ち着かない・・・・
・色々なことを先送りしてしまいにっちもさっちも・・・・

どちらも同じ心の「硬さ」からくるもの。この「硬さ」をほぐし、取り除くことが、一つの心のもちよう。



20150821​

0 件のコメント:

コメントを投稿